食べ方もあります

種類によっては食べ方にもマナーがある?

蕎麦というものは日本から古くに伝わる食事の一種としてその名と歴史を広めていますが、時々立ち寄る蕎麦屋によっては何かと口うるさく言われるような経験をしたことがある、という経験をしたことのある人もいると思います。何かというと、蕎麦の食べ方について講釈を垂れてくるということです。

歴史的に見て、蕎麦という食べ物が日本人になじみある食文化の1つとして受け入れられたのは江戸時代からのことになります。そのため、地方によっては創業から古くして老舗と呼ばれている姪天の数々も存在していますが、そういった店主たちにとって蕎麦というものはプライドであり、そして職人としての気質を掛けたモノとして扱われることとなります。中には蕎麦を作って何十年、という人もいるでしょう。そんな人にとってある店に訪れると蕎麦の食べ方について説明される、なんて経験をして腹が立ったそうです。自分の顔を知らないなんて何事か、といわんばかりの態度で悪態をついたという自慢話を披露するなどと、少々大人としては困ったことをしている人もいたりします。自分の顔を知らないなんていうのは、ちょっと傲岸不遜の態度といわざるを得ないでしょう。蕎麦の業界といっても、その広さは計り知れません。幾ら巷で有名だからといっても、知らない人というものは存在している事はしょうがないことです。そういったことを踏まえていないと、幾ら名店の店主といったところで一般常識が通じない相手では、その店の品位そのものを疑われることとなります。

なんてことも言われている蕎麦の業界ですが、つまり何が言いたいのかというと提供している店によって、蕎麦の食べ方というものは異なっているということです。ただこういったお店は基本的に何かと歴史のあるお店だけに捉われている、という風に思っているのは筆者だけではないでしょう。今や蕎麦を取り扱う全国規模のチェーン店というものも存在しています、そういったお店で細かな食べ方のルールを敷かれても、正直困ってしまいます。時間がないとき、手早く済ませられる食事の1つとして受け入れられている蕎麦の文化となっている今、蕎麦の食べ方にこだわりを見せるのは構いませんがあまり人に強制するようなことをしていては、お店に来店するお客の数というのも影響を考える事になってしまいます。

では一般的にいうところ、独自の蕎麦の食べ方のルールというものに縛られていない、蕎麦の食べ方というものはあるのか、と聞かれたらあります。というより、そもそも蕎麦の食べ方というものはそこまで格式ばったものは存在しないというのが、実情です。ですが、ただむやみやたらに食事をすれば良いというモノでもないので、一応マナーとしての食べ方は存在しています。どのようなものなのか、ここではそんな蕎麦の食べ方について話を進めていきましょう。

蕎麦の一般的な食べ方

蕎麦の一般的な食べ方についてですが、蕎麦の種類によってその食べ方の種類というのも異なってきます。蕎麦といえば、麺と汁がそれぞれ盛り付けられているもので蕎麦を汁に浸して食べる、というのが一般的かつ、最も定着している食べ方でしょう。ようは『ざる』や『せいろ』などで食べるときのことです。蕎麦の食べ方として、この二つが古来から続いている食べ方、と認識して何ら問題ないでしょう。

また汁の中に麺を入れて食べる、かけ蕎麦なども今ではごく自然に食べられている蕎麦となっています。どちらを多く食しているのか、ということについては多くは語りませんが定番というのはやはりせいろやざるの方でしょう。そんなせいろやざるなどにおける食べ方のルールとして設けられているのが、『汁に蕎麦は全体の3分の1までにする』ということです。

何故、3分の1なのか

せいろなどを食べる時には麺の3分の1までにする、という法則を聞いたことがあるという人も多いと思います。これは蕎麦そのものの香りを楽しむために、3分の1というのが理想的となっているのです。落語の枕詞などでは、死ぬ前に汁にたっぷりと蕎麦を付けて食べてみたかった、というものもあるほどにこだわりを持っている人にとっては外せない心情となっているのです。

コレを実践している、という人も多いと思いますが時間の都合でそんな悠長なことをしていられないという場合もあると思います。香りを楽しむにしても、時間に余裕があればできるでしょうが、そもそもそういったことをする暇がない時に食事などしていられないという人も要るでしょう。お腹に入ってしまえば何もかも一つになって、香りなど気にすることではない、と考えることも出来ます。

これについては賛否両論、とまではいかなくても出来るのであればお店側も意識して欲しいと思っているのが内情でしょう。ですがこれも、汁の濃さによっては蕎麦を全て漬けることによって濃さを抑える働きを持っている、なんてこともできますので臨機応変に対応するべきかもしれません。薄味の際、そして時間に少しでも余裕があるのであれば実践したい食べ方となっているといえるでしょう。

蕎麦は噛まずして飲み込む

次の食べ方についてですが、蕎麦は基本噛まないで飲み込むものだとも言われています。江戸っ子なら当然だろうと考える人もいるでしょうが、どう考えてもそれはいかがなものだろうと思います。喉に詰まってしまうという問題もありますが、そもそも噛まないことには蕎麦のコシを理解するのは出来ません、それなのにどうしてこのようなことが一般的な食べ方として広く知れ渡るようになったのでしょう。

その理由としては、本来食べ方として伝承するはずだった『蕎麦は途中で噛み切らない』というのが正しいところから派生して、誤った形で捏造されてしまったと見ていいでしょう。これは確かに捕らえる人によっては、蕎麦とは噛まずして飲むものだと勘違いしてしまう人もいるでしょう。特に江戸時代ともあれば科学的、などと物理的な根拠云々を語れる時代でもなかったため、正しいことだとして多くの人に間違った認識をもたらしてしまったということなのかもしれません。

正しくは途中に噛み切るのはマナーとしていかがなものとなっている、そのため箸に取った蕎麦は全て食べるというのが蕎麦の一般的な正しい食べ方となっています。

音を立てて啜るのが常識?

麺類を食べるとき、どうしても抑えることができないものとして麺を啜るときの音でしょう。何かとマナーなどという観点からそれを快く思わない人がいる中で、麺を啜らずして食べ方としてありえないと語る人もいると思います。蕎麦も例外ではなく、食べる時には音を出しながら食べるのが常識であると考えている人も多いと思います。

結論から申し上げると、この問題に関してもさほど気にするようなことではないというのが正しいところです。男なら豪快に、女なら貞淑に、などといわれても食べ方として考えると美味しく食べるのであればそれはしょうがないことだろうというのが、一般的な見解となっています。無論、人にはそれぞれの食べ方もあるので音を気にしている人はそれを抑える食べ方をしている、また、音を立てることに対して気にしない、という人もいますがどちらも別に間違っていることではないのです。要は、それぞれが美味しく食べられているかどうか、というところに焦点となっています。

ですが、美味しく食べるとするのであればやはり音を立てた方が一層蕎麦本来のうま味と香りを堪能できるとも言われているので、出来るのであれば盛大である必要は全くないので、音を出して食べた方がいいだろうというのが、専門家から見た正しい食べ方となっています。

蕎麦に山葵の法則

蕎麦を食べるとき、何かと山葵が添えつけられていることがあります。それを何の躊躇もなく入れて食べるという人もいるでしょう。入れない人ももちろんいます、それを邪道だと考えている人もいるかもしれませんが、これも実は山葵を入れる入れないでいうなら、特別入れる必要はないのです。というより、山葵を入れることで蕎麦本来の旨みなどを味わうことが出来ない、という欠点を生み出していることをご存知でしょうか?

ではどうして山葵が添えつけられているのが通常となったのか、それは汁にあります。山葵は本来、魚の臭みなどを消すために用いられていることが一般的となっており、そのことからお刺身には山葵を用いるのが定番となったのです。それが蕎麦に利用されるようになったのは、汁の出汁として鰹節などを利用することからその臭みが強い場合に山葵を利用するようになったのが、全ての始まりとなっているのです。

知らなくてもいいことですが、知っていると思いのほか楽しめることではないでしょうか。つまり、山葵は必ず入れなくてもいいものであり、汁が魚の臭みなどが強い場合には使用して蕎麦の香りを楽しめるようにする、というのが正しい食べ方となっているのです。蕎麦の食べ方というのも中々に奥が深く、そしてその理由などもきっちりとしていることを考えれば歴史を遡って研究してみるのも、面白いかもしれませんね。